いままで900円台のイヤフォンを使っていた輩が、音がどうのこうのと申し上げるのは誠に恐縮なのですが、いやハイレゾイヤフォンの音の良さったらすごかったです。
このたび新調したのはLEPLUS(ルプラス)というよく知らないブランドの「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN」というやつ。とはいえ「Hi-Res AUDIO」の認定マークがついているからホンマもんです。
ハイレゾを謳うオーディオ製品は音源もハイレゾじゃないと意味ないじゃん、とこれまで思っていたのですが、あにはからんや!CDからiTunesで取り込んだ手持ちの音源でも、その効果は抜群だったのです。再生装置をいろいろ試してみたのですが、総じてこもっていた音がよりクリアに聴こえました(テスト結果はこちらのページ下段へ)。
「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN」を選んだ理由
じつは、はじめは2000円~3000円クラスの普通のイヤフォンでかまわないと思っていたのです。ちょっといい音にしてみたかっただけ。
しかしイヤフォンをいろいろ調べていると、なんだかこれからはハイレゾの時代なんだなあ、とひしひしと感じました。ちょうど
オンキョーのハイレゾSIMフリースマホ「GRANBEAT(グランビート) DP-CMX1」が話題になっていて、テレビが4Kに進化するようにオーディオもハイレゾになっていくと確信したわけです。
そこでハイレゾイヤフォンを調べてみたら、やはりハードルが高かった。そんななかちょっとコスパが高すぎるんじゃないの?と目についたのが「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN」だったんです。
ハイレゾとは
そもそもハイレゾとは何か。オーディオに詳しい方がたくさん記事にしていらっしゃるので、ここではポイントだけざっくり解説しますね。
まず音楽CDの録音周波数は44.1kHzと決まっています。ヒトが聴き取れる音域は20Hz~20kHzと言われていますから、音楽CDはその領域をちゃんとカバーできています。
でもそれ以外の聴き取れない音域も決して無駄ではありませんでした。音の広がりや奥行、粒立ちなど微妙なニュアンスがそこに含まれていたのです。モスキート音など年齢差によって聴こえる音域も異なります。そこでハイレゾががぜん注目されるようになったわけです。
ハイレゾの定義はいろいろありますが、およそ44.1kHz以上、24ビット以上を呼ぶようです。
このHzとビットという単位は何でしょう。Hzは1秒をどれだけ細かく刻んでいるか、という単位です。そしてビットは瞬間瞬間の音の解像度。Hzとビットの数が増すほど、より細かい密度で音がつまっているということになります。
70kHzクラスでは抜群のコスパ
さてハイレゾイヤフォンに話を戻すと、その価格は数万円台から3000円台のものまでとさまざまです。
そんななか「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN」の再生周波数帯域は5Hz~70kHzで5000円台。これは同クラスの大手メーカー品と比べると3割ほど安いものでした。本格的なハイレゾイヤフォンと比べると周波数帯域は高くないけど、入門機としては十分です。普通のイヤフォンを選び将来的に買い換えるくらいなら、少し奮発して先取り買いしてもいいかな、と思いました。コストパフォーマンにまずグッときたわけです。
ドライバーユニットに注目
そして「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN」を選んだ決定打となったのが、このグラフです。
出典:極の音域 Hi-Res ALDEBARANオフィシャル
再生周波数帯域が5Hz~70kHzと長い波長から短い波長までカバーできるので低音から高音までの再生領域が広い。とくに「一般的なイヤフォン」や「一般品ハイレゾイヤフォン」では20kHz、40kHzの再生周波数で圧倒的に「聞き取りやすい」のが特徴となっています。
かりに音楽CDを圧縮せずそのまま再生した場合、ほぼ限界領域でも聞き取りやすさが担保されているということです。
この聞き取りやすさを実現しているのが電気信号を音に変えるドライバーユニットでした。高音域と低音域のドライバーを二つ搭載してこれまでカバーできなかった音域を極力押さえた構造となっているんです。
ドライバーユニットは下の画像の赤い矢印に搭載されています。
ドライバーユニットに関する説明文には
繊細で澄み切った高音と、重厚でありながらも鮮明な輪郭を兼ね備えた低音を調和させ、艶やかな音色を再生します。
出典:極の音域 Hi-Res ALDEBARANオフィシャル
とあります。
なるほど再生装置から出力された音源をできる限り再現し、豊かな音を届けてくれるんですね。なるほどこれならハイレゾ音源ではない普通の音源でも音がよくなるはず。そう確信した僕は背中をポンと押されたのでありました。
こんな製品でした
実物をご覧にいれましょう。
パッケージを開くとこんな感じ。イヤフォンが格納されいる部分が切り抜きになっていて、ちょっとリッチな作りです。
①小型リモコン/音声調整スライド、マイク、コントロールボタンがついています。iPhone6で試したところコントロールボタンのワンプッシュで再生/一時停止の切替、ダブルプッシュで次の曲、長押しでSiriが立ち上がりました。パッケージにも「一部利用できない機種がある」と注意書きがありますが、前の曲に戻る機能は使えませんでした。
②LRはこの部分で見分けられます。
パッケージのサイドのカバー部分は磁石によってしっかり閉じるようにサポートされています。ちょっとした工夫ですが、Apple製品を手にしたときに似た感動が込められていて、メーカーの気合が感じられました。
実際に聴いてみた
たとえばiPodで
iPod nanoでDaft PunkのAlive 2007からRobot Rock/Oh Yeahを聴いてみました。エレクトロ・ハウス音楽の野外ライブです。「ロボット」「ヒューマン」の掛け合いから「ヒューマン」のリフレインに入り、ドラムのシンバルが細かく入る部分で鳥肌が立ちました。古いイヤフォンでは平板だった音がシャキシャキ立っていました。このアルバムは重低音の響きが特徴なのですが、音圧も明らかに違っていた。深みがあり、強力な電源によって発せられた音が会場を支配しているライブの様子がより臨場感をもって感じられました。
またAmy WinehouseのBack to Blackではタンバリンがよりシャープに。彼女のジャジーでソウルフルな力強いヴォーカルも輪郭が際立ち胸に響きます。
さらにアコースティックギターと素朴な歌声が特徴のIron & WineのOur Endless Numbered DaysからSunset Soon Forgottenを視聴。こちらも声の息遣いまではっきりとらえることができ、ギターのコード遷移の瞬間の弦のしなりもリアルに聞こえます。錯覚でしょうがスタジオの空気のゆらぎまで感じられました。
たとえばスマホで
iPhone6でそれぞれWes MontgomeryのFull Houseを聴いてみました。こちらはジャズ音楽でコーヒーハウスでのライブ録音。古いイヤフォンでは特に感じなかったのですが、Wes Montgomery特有のギターのぬめり具合が鮮明になり、サックスとタイトに絡んでいる様子が聴き取れました。
一方、スローなナンバーBorn to be blueはスネアドラムのブラシの毛先の1本1本が感じられるほどクリアでした。ギター、ピアノ、ベースのバランスもグッド。古いイヤフォンで聴き直すとガチャガチャになっていたので逆にびっくりです。
またSpotifyのストリーミング音楽も試してみました。やはり音のクリアさ、粒立ちが明らかに異なっていました。
すべてiPhone6だけでなくAndroid(HUAWEI Ascend G620S)で試してみましたが同様の結果です。
たとえばPCで
試したのはlenovoのWindows7デスクトップ。かなり廉価なマシンです。Michael NymanのThe Pianoからピアノソロ曲Big My Secretを聴いてみました。古いイヤフォンではピアノがひずんで聴こえていたのが、異なる楽器のよう。音の響きを細部まで追っているのがよくわかります。
続くオーケストラ曲A Wild And Distant Shoreは抑制が効いてバランスがとてもよい。バイオリンの繊細さが際立ち、心地よさがまったく異なります。
ロックの名盤もおさえておきましょう。Pink FloydのDark Side Of The MoonからAny Colour You Likeを聴いてみました。古いイヤフォンではやはり後半のギターの高音部分でひずみが。それがしっかりクリアに聴こえます。
どれも違いがはっきりしていて古いイヤフォンとの聴き比べがおもしろくなってしまいました。気付かなかった感動も発見でき、いままでソンしていたかもと思えたほどです。
ハイレゾイヤフォン「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN」。これは、断然おススメです。
[amazonjs asin=”B01CQO23FM” locale=”JP” title=”【LEPLUS】【LP-EP03GD】iPhone/スマートフォン Hi-Res ハイレゾ イヤホン マイク 「極の音域 Hi-Res ALDEBARAN ゴールド」 通話可能 高音質 イヤフォン リモコン スマホ android”]
※商品の説明に「android」とありますが、これはたぶん「android対応」という意味だと思います。型番は僕が購入した製品と同じであり、iPhone、Androidのどちらでも音質は変わりませんでした。
コメント